8月11日は「山の日」。『山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する』ことを掲げた、日本の新たな祝日です。今回は、山に馴染みのある2人の写真家にフォーカスし、「山」をテーマに撮り下ろしたビルケンシュトックと、それぞれの記憶に残る魅力的な山の写真を紹介していただきます。

Profile

阿部裕介 abe yusuke

東京都出身。青山学院大学卒業。在学中より写真を始め、ヨーロッパ・アフリカ・欧米・アジア諸国を回る。各国を行き来しながら写真を撮り、2014年4月よりフリーランスとして活動を開始。YARD所属。
www.yusukeabephoto.com

Profile

工藤佑斗 kudo yuto

日本大学芸術学部写真学科卒。写真家のアシスタントとして働いた後、北アルプスの山小屋「燕山荘」に勤務。2年間のスタジオ勤務の後、フォトグラファーの松原博子氏に師事。2016年3月に独立。雑誌の仕事を請け負う傍ら、自身の作品撮りを行っている。

MOUNTAIN DAY 01 | 阿部裕介さんの「山とビルケンシュトック」

「足もとを気にして」for BIRKENSTOCK no.1

阿部さんが山を登り始めたのは大学生の頃。旅行先で訪れたヒマラヤがきっかけだったという。
「放浪の旅をしていた22歳の当時、時間だけはたくさんありました。暇を持て余していたので、ほんの思いつきで『山でも登ってみるか』と。旅先のネパールで買った安ものの登山道具を装備し、まるでアトラクション感覚で気楽に登山を始めたんです。登ると最後、気がついたら山の虜になっていました。今や、登山をするために国内外を飛び回っています。ただ、過酷な雪山や長期に渡るコースに挑戦することも多く、空港の出発ゲートで必ず思うのは、『帰りたい』ということ(笑)。登り始めてからもその気持ちは変わらず、『今なら引き返せるかな……、やっぱり帰ろう……』と何度も考えます。でも、引き返せない。なぜ登るのかと問われたら、それは自然とじっくり向き合うためであり、それは人よりも多く感動したいという想いがあるからかもしれません。山は常に、新しい驚きを見せてくれるから。人を感動させるためには、まずは誰よりも自分が感動する存在でありたいと思うんです」

「足もとを気にして」for BIRKENSTOCK no.2

阿部さん自身もビルケンシュトックの愛用者。10代の頃から様々なタイプのシューズを履きつぶしてきた。
「旅行先のドイツで購入したこともあります。ビルケンシュトックは、足に馴染む自然なシルエットが格好良い。自分の足型にも合っているのか、インソールが足に吸いつくような不思議なフィット感があります」

阿部さんお気に入りの山の写真「足もとを気にして」

2017年1月初旬。富士山が見える山梨県・杓子山に登ったときの一枚。
「杓子山は取り立てて語れるポイントがあるわけでもない、小さな山です。誰も登らない場所だからこそ、人のことを気にせず思うままに歩き回ります。山に登る楽しみは頂上のご来光だけではありません。例えば、光。この写真を撮ったときも、『ここから動いたら、この光がなくなってしまうんじゃないか』と思い、そのまま動けなくなりました。僕がずっと考えていることは、“大切なものはいつも近くにある”ということ。写真を通して、それを伝えられたらと思います」

MOUNTAIN DAY 02 | 工藤佑斗さんの「山とビルケンシュトック」

「山麓、朝」

甲府盆地の南に位置する山、。その登山道の入り口にて。
「ここは山のスタート地点。登山では、前日からキャンプをする人もいます。夕方に到着し、良さそうな場所にテントを張る。それからサンダルに履き替え、静かな夜を過ごします。そして朝目覚めると、早速登山靴に履き替えます。荷物をザックにしまって出発の準備をする、その少しの時間に、朝露で濡れたサンダルを乾かすのです。赤いテープは登山をする人のための案内役です。これは今から登山道に向かう、そういうシーンなのかもしれません」

「四尾連湖にて」

妻を撮る。
「妻とは北アルプスの山小屋「燕山荘」で出会いました。お互い、長期のスタッフとして山小屋で働いた同志です。僕たちは山の素晴らしさだけでなく、過酷さも知っています。良いところも悪いところもすべて知るとは、そう容易ではありません。山での勤務中、『下山して東京に戻ったら、また写真を撮りたい』と、そう思いました。山で生活する前後で、自分の考え方が根本から変わったと思います」

工藤さんお気に入りの山の写真「高千穂峰」

坂本龍馬とその妻・お龍が登り、“日本で最初の新婚旅行先”との説があるのは、九州・宮崎と鹿児島の県境にある「高千穂峰」。工藤さんが結婚の挨拶のために奥さんの故郷へ訪れた際、二人で登ったのもこの山だ。

「最近は、海外からの登山者も増えました。山での挨拶には、国籍も言葉も関係ない、不思議な空気感がまといます。すれ違いざまにカメラを向けると、自然と笑顔を向けてくれました」

_工藤さんにとって山とは。

「孤独を再確認するところ。山登りの最中に人に会うと嬉しくなるし、自然と思いやりの言葉が出てくる。孤独が分かることで、人との出会い・コミュニケーションの重要さに改めて気付かされます。人を避けて山に登るけれど、結局また、山で人を好きになるんです」